2015年09月25日

ペットショップで行う歯石取り

シルバーウィークにうちのスタッフがペット博に行ったらしいんです。
そこでペットの歯石取ります!みたいなのを謳っている所があったらしいんですけど、こういうのどうなんでしょうね?確かに近場のペット屋でも歯石取りますみたいなのを広告に載せていた所がありました。
でも歯石取りって私たち獣医師からしたら歯磨きとかのレベルのケアじゃなくて、治療の領域だとおもってます。
そもそも無麻酔で歯石とるのってすんごい大変です。実際、ペットショップでも歯石とるスケーラーが売ってたりするので、それでご自宅のワンちゃんの歯石取ってみてもいいんですが、コツも入りますし、そもそも下手にやると歯肉傷つけるし、出血思いっきりします。

ちなみに今日、別の手術で麻酔をかけた2歳の犬の口のなか
IMGP3913.jpg

あえて超音波スケーラー使わずに、ハンドスケーラーで歯石削るとこんな感じ。そこそこ綺麗になりましたね。
IMGP3914.jpg
犬歯見ると出血の後がありますけど、もうちょっと出てました。この程度の歯石とるにも結構力入れてやりますす。

物は試しで大人しい大型犬の歯石を無麻酔で取ってみたことあるんですが無理でした。めっちゃ嫌がられました。うちのミッシェル君くらい何でもさせる犬だったら出来ますけど、そのそも本当に歯石、取れてるんですかね?

ま、はっきり言って無麻酔での歯石取りはどんなに大人しい犬でも嫌だと思います。それやる毎にその場所が嫌な場所、それをやる人が嫌いになっていくと思います。麻酔のリスクはあれども、犬のことを考えたら麻酔下できっちり丁寧に私も歯医者にいくと、その都度歯医者が嫌いになりますからね!

(※そもそも歯石取りは治療行為なので、広告に幾らで歯石取りますなんて載せたり謳った理することは、獣医師法に抵触すると思うんですが、その辺りはどうなんだろうなぁ ・・・と独り言)
ラベル:口臭 出血 歯石
posted by リタ at 12:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月18日

ふれあい教室とシルバーウィーク

今週の月曜日、犬山市の池野小学校でふれあい教室を行ってきました。

学校内で飼育しているうさぎに対してどのように接すればいいか、池野小の1年生を対象に授業してきました。
元々これは愛知県獣医師会(http://www.aichi-vet.or.jp)の公益事業の一つとして行っており、池野小は今年で4年目になります。

行くと結構みんな真剣に聞いてくれますし、下校の時間なんかにあたるとみんな覚えていてくれるんで嬉しくなりますねわーい(嬉しい顔)

ちなみにこの小学校には学校で飼育?住み着いている老猫がいて、校長先生に抱かれていました。小さな小学校だからできる自然や動物とのふれあいってのもいいですね。獣医師の立場からすると、各学校に猫とかいてもいいと思うけど、アレルギーのお子さんもいるから一概には難しいでしょうね。

私の要望としては、娘の在学中に、娘の小学校でふれあい教室やってくれんかな?


シルバーウィークの予定ですが、9/20(日)は午前のみ、21〜23(水)までお休みさせていただきます。
緊急の場合は一度お電話ください。全くいないわけではないので対応できれば診察いたします。
posted by リタ at 10:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月14日

眼窩下膿瘍

久しぶりに診察・治療に関してのお話です
ブログの診察に関する更新はほんっとに久しぶりすぎですが、普段ちゃんと診察はしてますからねわーい(嬉しい顔)

さて、今回は膿だとか、血だとが膿だとか若干グロテスクな画像があるので、苦手な人はちょっと見無い方が良いかもしれません。私なりにまだ見れる物を選んでいるつもりですが、正直いつも血やら傷やらなんやらを見ているので、そのあたりの感覚がずれていると思いますのでご容赦を願います。












では、始めましょうか。
ちょっと今回は画像のリサイズしてないので、写真デカ過ぎたらゴメンなさい。
今回の子はかなり前から目やにが多く、目の下に傷ができてしまって血が止まら無い状態だった子です。ただ目やにを拭こうにも、傷を触ろうにも怒ってあまり触らせてくれません。最初診察した時は私も噛まれそうになりながら見てました。

IMGP3822.JPG
こんな感じ、目の下に傷見たいのがあります

お年になってくるとたまーーにあるのですが、だいたいこういうのは歯が原因になってます。では歯を見ると
IMGP3825.JPG
ちょっと汚いけど、それほどじゃない?

いやいや、ここは切歯、場所的には鼻の下です。ここに歯石付いていても頬の所、目の下には関係ないことです。
ただ犬歯あたりに歯石がつけば、鼻血、鼻水が出たり、くしゃみがおおくなったりと鼻のトラブルが起きることはあります。これは犬歯の根っこが鼻の真下にあること。犬歯の根っこと鼻の通り道を隔てる骨は薄皮一枚といっていいくらいに薄い骨しかないので、そこが溶けたら鼻に口の雑菌がいってしまいます。それで鼻炎起こすことはあるでしょう。

それましたが目の下、頬にトラブルあるならもっと奥を見ないとダメですね。ということで奥を見ると
IMGP3824.JPG
はい、しっかり歯石付いてます。歯肉炎もひどいです。でもこんな状態でも犬は虫歯にはなりにくいんです。その代わりに歯周病になってます。
ちなみにこの時は麻酔がかかってますが、麻酔かかる前に奥を確認した時は指食われるくらいに怒ってました。

反対の方もこれ以上に歯石がついてましたが、そちらとの違いがありました。それは
IMGP3826.JPG
歯石を除去した後ですが、これ、歯が欠けて穴が空いているんですよ。穴が空いた所にびっしり歯石が乗っていたので、かなり前に空いたんでしょうね。周りの歯石だけでも歯周病は起きますが、さらにこの穴から歯の髄に雑菌が入り込んで、歯の根元で膿が溜まって、それが頬の下から破裂して出てきた。そんな所でしょうか。

ただ穴が空いていなくても歯石がびっちり付いて、歯周病が起きて、この様に膿が頬から破裂して出てくることはあります。この様に目の下、頬の所から血膿が出てくるのはその下にある臼歯の歯周病が原因になっていることが多くあります。この様な状態を眼窩下膿瘍と言います。

ここで改めてさっきの画像、歯石付いていたのと除石後のを見て欲しいのですが、この歯、虫歯になってます?穴空いてる所は黒っぽく見えますが、皆さんのイメージする歯に黒いのが広がってます?広がってませんよね?虫歯じゃないんですよ。
欠けたり穴空いたりすると虫歯になることもあるのですが、犬の虫歯は珍しい病気なんです。

虫歯のかわりにさっきから言う歯周病になってるんです。じゃあ歯周病って何?簡単に言えば歯の周囲の病気です。結局、歯肉晴れて、顎の骨が溶けちゃうんです。

歯レントゲン-1.jpg
変な走査線入ってるのはごめんなさい。さっきの穴空いた歯のレントゲンです。(専門の人から見たらちょっと上手なレントゲンではないのですが)他の歯に比べて歯の周り黒いでしょ?他の歯は、歯の周囲にしっかり筋見たいのが見えるでしょ?黒くなってるのは溶けているんですよ。

もう一回歯石取った後の写真みてくださいIMGP3826.JPG
ちょっと歯肉赤いくらいですよね。でもレントゲン撮ると大事なんです。
も一つ。この写真の下のは見てくださいね。歯肉もそれほど赤くないでしょ?

歯レントゲン2.jpg
もっと顎の骨溶けてます。赤い線が本来あるべき顎の骨のラインです。

これがざっくり言ったところの歯周病です。これ、犬にしてみたら食べるたびに歯がぐらついて痛いんですよ。痛いって言わないけど痛いんですよ、絶対。

だからこの下の歯も抜きました。反対側も同じ様に抜きましたので、結局8本くらいぬいたかな?
眼窩下膿瘍のところはIMGP3832.JPG
見事に歯の根っこのところの顎の骨は穴が空いていました。つーつーです。洗浄液も頬から出ちゃいます。

IMGP3835.JPG
傷んだ組織、骨をこそぎ落として、粘膜を膜状にして剥がしたもので傷を塞ぎ、吸収糸で縫合して終了


約1週間後です。IMGP3872.JPG
目やには少し出ますが綺麗になりましたねわーい(嬉しい顔)

ここで大事なことは外貌じゃないんですよ。この診察の時は口周り触っても全く怒りませんでした。目やにも拭かせてくれます。相当痛かったんでしょうね。でもそれだけではなく、散歩も今まですぐに帰りたがっていたのに、喜んで出かける様になりました。足先を舐めて、毛が薄くなっていたのですが、舐める行為がなくなりました。
要は口の痛みで相当なストレスがかかっていて、日常生活がまともに送れていなかったんです。

人では歯周病が心臓や腎臓、肝臓に影響を与えるということははっきり示されていますが、犬ではまだそこまでではありません。でもおそらく影響はあると考えています。でもそれ以外に、日常生活やその子の性格にも影響があったりするんです。

だからというわけではないですけど、デンタルケア、大事ですよ
posted by リタ at 12:08| Comment(0) | 診察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする